carmine跡地

はてダの跡地です

Endless SHOCK 博多座 1/28ソワレ 1/29マチネ(ネタバレ気にしてませんので注意。)

博多座行ってきました。とりとめもなくいろいろメモ。


博多座は楽しい劇場でした。前から2列目と立ち見という両極端な席で計2回観たので、いろんな楽しみ方が出来たよ!SHOCKを立ち見で観るって斬新すぎて超楽しかったです。郡舞のフォーメーションは素晴らしくよく見えたし、リチャでの亡王様の呪い声が私の後頭部30センチから突然発されたときは噴くかと思った。真後ろでなに叫んでくださってるんですか亡王さまwやめて大好きすぎるwww 屋上のシーンでは勝手に私も屋上ごっこしてました(´∀`)前に手すりがあるもんで、一緒に屋上気分満喫。街(客席)を見渡しながら『この街で生きてきたんだね』(エア台詞)とか。なにやってんだ。いやいやあのシーンでバーチャル体験してたのは私だけじゃないはず!というわけで、立ち見でしか味わえない楽しみ方をさせていただきました。そして立ち見とは真逆な2列目席は、2列目は2列目でも超絶端っこだったので、なんていうか真横から見てる感覚。帝劇での端っこよりもさらに真横って感じ。ウチに「自分を殻に閉じ込めるのはよせ…!」って言ってるコウイチの顔が正面に近い角度で見えるという。どんだけ真横だ(笑)。いやしかしほんと、今まで帝劇のいろんな席に座って観てきて見えてなかったものがいろいろ見えたので、とても新鮮でした。コウイチの手を握りその冷たさに改めて現実を思い知りハッとするウチに対する、コウイチの悲しそうな目の演技とか。ウチに手を取られてその冷たさにハッと気付かれた後の、その反応から自分の死を思い知り 絶望と悲しみと後悔とに一瞬で瞳が塗り替えられる。躊躇いがちに逸らされ伏せられ、またウチを見、言葉にならない想いをこめて見つめる。嗚咽するウチ。←ここ4秒くらい。
ほんと、SHOCKという舞台はこういう細やかで「ため」のある演出が多い。全部を見せることにこだわっていない。見えたものから想像してストーリーを膨らませてくれればいいよっていう意図をとても感じる。セリフや動きが細かく決まっていないアンサンブルではなく主役クラスの役がそこまでの機微で余地を残すって、大劇場作品ではあんまり無いんじゃないかなあ。だって劇場大きいと最後列からはそんなとこ見えないもんね。いや、最後列どころか最前列だって、そんな真横向いて演技してるときの台詞が無い数秒での目の動きとか、見えるわけない。でもその、ちまちました表現なんてあの広い劇場で見えなくても当たり前だけど見えたときの今までの解釈をドバァッと押し広げるような目の前にあった扉が開け放たれるようなそんな衝撃が、くせになる舞台なのであります。そしてダイナミックな演出に関しては大劇場という空間をフル活用する。ダイナミックさとそこに潜ませた繊細な感情表現と、相反する演劇要素が両立された、面白い娯楽大作だと思いますよ。
そして博多座で今年のSHOCKを観た感想は、「模範解答を示された」です。初めての土地で初めての客層に訴えるうえで、非常にわかりやすい形で提示し直されたと感じました。わかりやすい台詞、わかりやすい演出、わかりやすい演技。私は連続した2公演しか観ていないのでなんともまだわかりませんが、こんなにも「同じだ」と思ったSHOCKは今まで無かったかもしれない。舞台の上で起こっていること、役たちの感情の流れ、導かれていく観客の共感。多分今年は、上演している側の思う通りに観客は感情移入をしているんじゃないだろうか。わかりやすい台詞とわかりやすい演技は、皆を同じ答えへと導く。コウイチの無神経なところとか、ウチの当たり前な弱さや絶望なんかがとても明確な演出がされていて、物語がするする進んでいく。沙也加ちゃんのリカはなにか本能的な爆発がほしいところ。ためがあまり無く、それこそ最後列にもわかりやすく大きく動くことでの伝え方になっていて(ウチに駆け寄って抱きしめながら「前に進んでいかなくちゃいけないの!」と叫ぶところとか)、演技力一本勝負!さあどれだけ泣かせてくれますかリカ役さん?な部分が薄くなった。ちなみに泣かせるリカ役だったら昨年の夏希ちゃんが最強だったと思いますです。メイクや衣装や演技に神田沙也加というタレントさんのにおいが残っているところが、私がいまいちのめり込めなかった一因かもしれない。ディファインは表情を消すので演技のお仕事のときは装着をやめたほうがいいとおもう。まあでもそこらへんは微妙なのかなー。遠くからパッと見たときのかわいらしさを取るのならディファイン付けてたほうが見栄えが良い?だけど繊細な表情を作るのに、やっぱりディファインは邪魔じゃあないかな。今までのリカ役の女優さんがどうだったか断言できないけれど、今年のリカはデカ目メイクだから目がとても目立つので余計そう思ったのかも。沙也加ちゃんの歌はこれはもう昔からとても好きなので、屋上の歌「ONE DAY」はすっごく俺得です。はあああの声大好きいいいい。気付いたらミュージカルに完全移行しちゃってて私は残念なんだよ。またJ-POP歌わないかなあ勿体無いなあ。*1沙也加ちゃんがしっかり歌える人だからか、こーちゃんもすごくのびのび安定した歌唱で素晴らしかったです。こーちゃんは歌ウマな相手と歌ってるとどんどん伸びていく、やわらかな若芽のような歌手なんだぜ…!堂本兄弟で聴いたときよりも数段上手くなってて興奮しました。ぎゃーもー大好きーー。なんかね、Jコン大阪のときみたいな飛躍っぷりを感じました。色気やばし。つよしもこーちゃんもどんどん色っぽくなってくから困る。
新しく入った場面、削られた場面に関してはまあなんだ、新しい場面のインパクトが強いからあれは削られてもしょうがないのかなって思えるわけなんだけどでもでもでもでもやっぱりその場面にさしかかると「おおロミオ…(絶望)」ってなったよね。うん。ロミたんがもう二度と観れないなんて(;;)あんなにロミオ衣装が似合う役者いないのに(;;)じゃあ5分でわかるEndless SHOCKをディスク化して売ってくれええええ(;;)でもHigherかっこいいから怒れない(;;)トラビス振り付けの新場面・Higherの格好良さはすごいね。客席で『うぎゃー!!かっこいいいいいいい!!』って心の中で悶えまくりました。でもあれSolitalyとちょっとカブりませんかね…幕が分かれてるからいいのかな。Higherのとこは郡舞の格好良さと圧倒的な勢いとにぐいぐい押されて否応無しにテンションが上がるけど、ウチの心の、張りつめてた最後の糸がぷつりと切れてしまう場面としてもわかりやすかった。だって、あんなにヒャッホーもう我慢できないぜ!ってウチのことなんかすぱーんと忘れてコウイチのバックに飛び込んでいっちゃうタツミ達を見ちゃったらさあ…絶望的だよね。去年までは、最後までウチの側にいて必死に声をかけるタツミがいたからこそ、「皆も俺から離れていった!」って叫ぶウチに対して『ばかっ!あんなに必死に支えてきた4人がいたじゃないよー!なんで気付けなかったの勝手に孤立して自分追い込んでばかばかばかっ!!』って思った。タツミもその場面ですごくハッと傷ついた顔してたり。それが今年は、『だよねえ…こいつらと俺は踏ん張る、って1年必死に頑張ってきた4人があんな躊躇い無くキラッキラな笑顔でコウイチのとこに飛んでっちゃったら、そりゃ絶望するよねえ……』となりました。ウチかわいそう。ってなった。屋上の新曲「ONE DAY」は、二幕で歌われる場面がやばいです…号泣した…あれは無理。あんな使い方するなんて反則…!
新しく加わった台詞・演出含めて、わかりやすくなったなあと。それが良いことなのかリピーターの熱を削ぐのかはわかりませんが、これからまだ3ヶ月もある上演期間の中、変わるのかそれとも維持されていくのか、興味があります。毎年1ヶ月を過ぎたあたりでやってくる、目に見える疲労。いままではそこからまたグッと変化してきたから。今年はどうなるのでしょうね。想像を絶する、メインキャストのみならずアンサンブルに至るまでシングルキャストでの4ヶ月連続公演。怪我やアクシデントが無く無事楽を迎えられる事を心の底から祈っています。これから始まる3か月もとても楽しみ!

*1:当時購入した彼女のアルバム「Doll」をこの間引っ張り出してあいぽんに入れて最近またよく聴いてる。