carmine跡地

はてダの跡地です

気持ち悪い

「Parental Advisory Explicit Content」にメッセージ性?あの詞にそんなのあんの?


私iアルバム大好きなんですけどね、あのアルバムに深刻なメッセージ性なんて感じないです。全然丁寧じゃない粗い作りがイイの。時間無かったんだろうなあというのが音と声からひしひし伝わるあのチープさがイイの。シングル曲とアルバム曲のスケール感の違いは、単純に生音か打ち込み音かの違いなんじゃないのかな。打ち込み曲のそのチープさが結果的にアルバム全体を通して絶妙の肌触りに仕上がっていると思う。
曲の内容なんてどうでもいい。アルバムタイトルである「iD」を私はふたりの声から感じるんだよね。時間の無さが結果的に近畿に勢いを与えてる。どっちか音多少外してそうだよな、っていうくらい勢いに任せたユニゾンに痺れるんだ。ハモリやコーラスや丁寧な音の処理とかを飛び越えて、生身でグイグイ押してくる力があの声にはある。デジタル寄りなサウンドにリアルな声が重なる妙が堪らない。元気あるよあのアルバム。
「iD-the World of Gimmicks-」の詞なんて、古臭くて古臭くて笑っちゃうよね。あんなの10年前にはすでに時代遅れ臭を放っていたような言葉だよ。デジタル世界で不確かになる自己、現実と虚構の境目が曖昧になる現代。そんなメッセージ今更言われてもねえ、あはは。
古臭くて結構。薄っぺらい言葉でオッケーオッケー。メッセージ性なんて糞食らえ。ただ音が楽しくてたまらなくて何か考える前に体が反応しちゃって高速で連れて行かれて、それでいいんじゃないの。重っ苦しくて息詰まるようなふたりの関係や現代に警鐘を鳴らすような小賢しいメッセージや、そんなものを蹴散らしてアホのように突き抜けたアイドルソング…それだけでいいんじゃない。


必要以上のものをふたりに背負わせたくないな、と思った。なんでもかんでもあのふたりの関係性に結び付けて勝手に感動したりするのって失礼だな、と。「Black Joke」の内容はギリギリ紙一重なところを行ったり来たりする、均衡を保った天秤が何かの拍子でグラリと傾く心地良いスリルを味わえる曲なので、物語性を妄想しますよもちろん。二人組みが歌うことでそのスリルをより効果的に表現出来るわけだ。「Love is...」はあのふたりの声で歌われるからこそ私の心にあんなにも響くうたでありますが、単純にとても良い曲であることをもちろん否定なんかしない。


どの雑誌のインタビューでも『ふたりの関係性について』の質問をされると急にツンツンで恐ろしくテンションの低いぶっきらぼうな受け答えになるふたりのことを考えてみた。