carmine跡地

はてダの跡地です

十人十色

17日に仙台サンプラザで行われた、十人十色東北特別公演に参加しました。ものすごく良かった。行ってよかったと心の底から思った。まず、本編にMCが無い。そのかわり、一曲一曲の頭に、一節程の文章がスクリーンに映し出される。これが素晴らしく効果的で。その曲の世界観にするり、ふわり、と引き込まれて、音が入りつよしがうたう声でスッと深いところまで到達する。夢のようでいてでもあまりにもリアルで、スキルがないとこんな空間の支配は出来ないし存在感が無ければ間が持たない。さらっと凄いライブやってましたよつよしさまは。アンコール(というか第二部的なイメージかな…あれは。十人十色=十曲、プラス1曲=Nijiの詩 の流れで世界観が一旦終了した後なので。)でやっとMCでしたが、うん。あれくらいがちょうどいい。つよし自身がその場で曲に対する想いを言葉で語るよりも、演出の一部として文字で伝えてくれるあの感じが、今までで一番伝わりやすかった。つよしって喋るのが一番わかりづらいんだなあと思います。うたや詩や音、空間演出なんかではあれほど強く伝わるイメージを持っている人なのに、日本語で喋り出すと下手。きっと伝えたい事が大切すぎてちゃんと伝わってほしくて、雪だるま式に言葉が増えていっちゃうんだろう。
『十人十色』というライブは、「縁を結いて」という曲そのもののようなライブでした。まるで日本の四季。はらりはらりと舞い落つる。ふわりと溶ける。流れる。熱いうねり。凛とした空気。季節のいろを感じ取る、日本人の感性。堂本剛というひとは確かにシャーマンでありました。




Nijiの詩」のミュージックビデオの映像は、石巻の海だそうです。私がわけもわからず号泣した映像は、石巻の海だった。宮城出身のカメラマンさんとこの仕事をする話しが進み、どこの海を撮るかはカメラマンさんに任せたそうです。あなたが撮りたい海を撮ってきてください、と。危険なところには潜らないでほしいけれど、と。そうして撮影されたいくつかの映像の中からつよしが、直感でひとつの映像を選んだのだそうです。美しいと思ったからその海を選んだのだと。これでいくと決まり、スタッフに言われたそうです。伝えておかなきゃいけない。あれは石巻の海です…と。客席から、泣いている声がする。いくつも。海の中の映像で怖い思いをさせてしまうかもしれない。ごめん。でも。僕がいるよ。ここにいるよ。つよしが静かに、優しくそう言う。もうね、そりゃね、泣いちゃうよ。あちこちからすすり泣きが聞こえるよそりゃ。なんかもうほんとうに、つよしが福島・仙台・岩手とこうして訪れることに意味がありすぎて、ありがとう。私個人では東北のひとに歓びも安らぎも提供できない。心を包んであげられない。だから、つよしが仙台のひとたちの心をやさしく受けとめて愛してる光景を見ていて、本当に嬉しかったんだ。ぐるぐるしてた私の気持ちまでつよしは余裕で受けとめてくれてた。ネットで、眠れないっていうつぶやきをたくさん見て、そういう人達が眠れるようにって曲を作りました、って言ってた。いつのまにこんなに強くなったんだろうつよしは。はあ、好きだなあ。
そんでもってアンコの仙台ファンクとブルーベリー超楽しかったぞ!!!はああああああ最高!!!1000D・A・I!!*1ブルーベリーで飛ぶの最高に楽しいですよねー。近眼のうえに乱視なのでつよしの指の本数は正直1本と5本しかはっきりわからんけど(笑)。腰振りはそんなにエロスではなく健康的(なんぞそれw)でかわいかったです。建さんとのセッション格好良すぎた。たまらん。あ、あと、本編のsay anythingで椅子に腰掛けて歌っていたつよしの横顔がものすごく美しくて、美青年ふおぉぉぉぉ…!って滾りました。バンドの面子も私的にとてもフィットしていたようで、ライブ中ずっと『今日、音すっごくいい!好き…!』って思ってました。CD音源も含めて今までで最高の「時空」だったなあ。とにかくなんだか今日は音が良い、と感じながらラストまで行って初めて、ドラムが白根君だったと知ったのでした。ごーたさんじゃなかったのか…殆ど最後列だったから全く見えてなかった…そうか、音が違ったのは人が違ったからか…!白根君のドラムとスティーヴの音ってとても合うんでないの。なにかこう、本能的なところに説明抜きでダイレクトに届く感じ。「時空」に話しを戻しますが、最後につよしが叩いていた鍵盤の高音が、私には奈良の空に響く鐘の音に聴こえた。5分か6分くらいの間、時空を超えて奈良を感じていました。魂がぐぐっと曲のイメージの世界へ連れて行かれていた。こういう音を感じているときってとても幸せだなあ。音ってすごいなあ。
あとはーあとはーえーっと、とにかくびっくりする程楽しい仙台ライブでした。行って良かった!つよしさいこう!このライブ、私の地元である東京でもやってほしかったなあ。友達を連れて行きやすいライブだと思うのです。みなとみらいとかお台場時代のエンドリに引っ張って行ってゲフッお腹いっぱいですもういいですってなった友人を、今再び連れて行きたい。素敵だから!だいじょうぶだから聴いてみて!あのひと凄くなってるよ!って。

*1:ワンサウザンディーエーアイ、と発音します